2016/6/17 11:55:31

モンローウォークに要注意!股関節形成不全とは?

    1.ボーダーコリーに多い股関節形成不全!

    セクシーな歩き方?

     腰をふりふりくねくねしながら歩くボーダーコリーを見たことあるでしょうか。何も知らないと、一見とてもセクシーな歩き方をする子としか思えないかもしれません。
     
     実は、この歩き方をしだしたら注意しなければならない病気があるのです。
     
     このくねくねした歩き方を【モンローウォーク】と言い、股関節に異常があるとこのような歩き方をします。
     
     病名は【股関節形成不全】といい、主に大型犬に多く見られる病気なのですが、ボーダーコリーもまた、この病気を発症しやすいとされているのです。

    そもそも 股関節形成不全とは?

     股関節の骨格の形成が浅いと発症しやすいとされており、骨と筋肉がバランスよく成長しなくなる事で発症します。
     
     急激な成長についていけず、大腿骨の先端が股関節に正常にはまらない状態の為、常に関節に炎症が起きてしまい、痛みも常に感じるようになります。
     
     片脚だけ発症する子もいれば両脚発症する子もいます。症状も個体差もありますが重症になりますと歩行する事すら嫌がるようになります。

           
     
      
      

     

     
     
     

    見てすぐわかる股関節形成不全

     股関節形成不全の症状は、以下の通りです。

     
    ・脚のひきずり
    ・腰をくねくねしながら歩行(モンローウォーク)
    ・運動を嫌がる
    ・階段の昇り降りを拒む
    ・同じ場所でずっと動かない
    ・座る時に脚をくずして横座りになる
    ・ウサギとびをする
    ・立ち上がるのに時間がかかる 
      

     どれも脚をかばうようにする仕草が見受けられます。特にボーダーコリーはかなりの運動量を要求される犬種ですので、元気がないと一目で気づかれるかと思われます。

    段階ごとのおもな症状

     後ろ脚の異常は生後2ヶ月くらいまでは認められませんが、全身の成長、体重の増加と共に活発に活動するようになる4ヶ月から1歳ごろから症状が現れる事が多いです。
     
     【初期】
     歩幅が狭く、運動をする事を嫌がる。片脚をかばうように歩く。
     
     【中期】
     歩行時に腰のふらつき(モンローウォーク)、後ろ脚を外側へ回転させるようにして前へ出す。
     
     【後期】
     大腿骨の変形がひどいと、ちょっとした外部からの刺激などで外れる為、慢性的な脱臼を起こしてしまう。

    2.なぜ股関節形成不全になるの?

    先天性

     この股関節形成不全は圧倒的に先天性で発症する事が多いとされております。ボーダーコリーは股関節形成不全の遺伝要素を高確率で持っている為、非常に発症しやすいとされております。
     
     股関節形成不全の恐れのあるボーダーコリーの繁殖は望ましくないとされている為、日本動物遺伝病ネットワークでは、検査のもと、その素因があるようならば、協会に登録、また、血統書に記載するように呼び掛けております。
     
     近年、悪質なブリーダーが股関節形成不全である事を隠し繁殖を繰り返してきた結果、股関節形成不全の遺伝を持つボーダーコリーが増加してしまいました。
     
     両親が健常でも、発症する確率は20%以上とされております。その両親の両親が…と言ったように遡るとどこかで股関節形成不全であった子がいるのです。
     
     それほどまでに股関節形成不全の遺伝による発症率は高いとされております。

    後天性

     いくら遡っても股関節形成不全の遺伝要素がないから安心とは限りません。
     先天性である事が多いというだけであり、後天的に発症している子も中にはいるのです。

     
     仔犬の頃から足腰に負担がかかる運動、例えばひたすらジャンプを繰り返したり、家全体が滑りやすいフローリングであったりと、ボーダーコリーの関節に大きな負担をかけさせてしまいます。
     
     すると、成長期に無茶な動きをしてきたボーダーコリーは、正常に骨格形成、筋肉がつかない為、股関節形成不全になりかねないのです。
     
     こうした環境のせいで、発症する事は充分にあり得るので気を付けなければなりません。

    共通して言える事

     そして、肥満は最大の敵です。ボーダーコリーは常に動き回る事を好む犬種ですのであまり肥満になる事はありませんが、飼い主さんがおやつを与え過ぎたり、誤った食事量を与えてきたりすると、簡単に肥満になってしまいます。
     
     仔犬の頃は、大きくなって欲しいからと言って適切な量を与えられない飼い主さんが中にはいらっしゃいます。
     
     これは先天性でも後天性でも特に気をつけなければならない事です。
     
     肥満のまま成長すれば、余計な脂肪のせいで骨と筋肉がバランスよく成長しない為、未発達で不安定な状態の股関節になってしまうでしょう。

    3.股関節形成不全と上手に付き合っていく為に

    治療法

     治療法として大きく分けると外科的なものと内科的なものがあります。
     
     【軽症
     関節内の炎症を抑える為に、消炎鎮痛剤の投薬で治療していきます。軽症であれば投薬治療により回復する事が出来ますが、ステロイドを出される事がありますので、獣医師と相談のもと治療法を決めましょう。
     
     【重症
     投薬治療での回復が望まれないほどの重症化してしまった場合、外科手術を施す必要があります。
     手術方法はその子の症状にもよりますが、骨盤を形成する個所を切断し(骨頭切除)、大腿骨が外れにくいように形成するものや、異常のある股関節の個所に人工関節を置き換えるものがあります。
     
     大抵は前者で治療する事が出来るのですが、あまりにも病気が進行し、重症化している場合は後者になります。
     しかし、難点としては高額な医療費である事、この手術を行える獣医師がまだまだ少ないというのが現実です。

    飼い主さんが気を付ける事

     股関節形成不全は、まずそれ以上進行させない事が重要です。基本的に、飼い主さんがすべてコントロールする事で進行を遅らせる、または発症させない事が出来ます。

     
     食事の量はもちろんですが、運動量も注意しなければなりません。ボーダーコリーの子犬の頃は、常に動いている事が好きですので際限なく遊びまわります。
     
     しかし、無茶な運動は上記の通り、足腰、股関節に大きな負担をかけます。
     
     そうさせない為にも、まずは飼い主さんがこの病気を理解してあげる必要があるのです。